Adam Audette氏の『The SEO Guide to Information Architecture』の全訳を3回に分けてお届けしています。第2回目は、セクションとカテゴリーの最適化とページの最適化に関する訳を掲載します。
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(1/3)
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(2/3)
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(3/3)
SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(2/3)
IA最適化: セクションとカテゴリー
さて、我々は構造の支柱であるセクションとカテゴリーに入っていく。サイトのこれらの領域が、例えば拠点や入口、通路として、多くの異なる方法で言及されているが、基本的なアイデアは同じであることに気づくだろう。これらは、ルートドメインと鍵となる個々のコンテンツページを橋渡しするサイト領域である。あるいは、より正確には、セクションとカテゴリーはサイトの階層を包括的にクローリングさせる、より深いコンテンツへの出発点を提供する。
サイト上のルートドメインは、そのサブページと同じだけの用語でランクづけされることがないのであるから、これらは、お金を生むページへの侵入路を意味する。最適化された情報アーキテクチャを構築することで、これらサイト内部のセクションはドメインのランキング能力の多くを供給し、ほとんどの潜在的なトラフィックを意味している。これがロングテールのもたらす至福だ。
我々は、既にドメイン名に関するセクションでの局所的なテーマの考え方に触れた。テーマはIAの重要な側面であり、キーワード調査をラベル付けやナビゲーションに適用することといったような事柄を支配するが、同時にセクションやカテゴリーを局所的に組み立てるための戦略を決定づける。サイトの階層はVisioやOmniGraffleのようなもので視覚的にうまく表現されるだろうし、とても複雑にもなるだろう。
この法則に対しては多くの例外があるが、一般に検索エンジンは、さらに深いページよりもルートドメイン直下のコンテンツにいっそうの価値を置く。考えてみよう。つまり、1層目のページが、とても重要になる傾向がある。だからこそ、長年にわたり、継続的に検索アルゴリズムが洗練された後でも、依然として静的なHTMLページを作り、それらをルート・ディレクトリに置くのが効果的なのだ。
サイト階層をどのように展開するかについて考えるとき、中心的なキーワードのリストを手にとり、それをグループにしてみることを考えよう。これらのグループはサイトの基本的なセクションを意味することになるし、それぞれはキーワードの伝達で最適化されるはずだ。これらセクションの下層は、セクション内のページ(あるいはさらなるカテゴリー)でターゲットにしている、より良いカテゴリーのキーワードの組み合わせである。その他にも色々と。2階層か3階層だけ深くする必要があるかも知れないし、あるいは、もっと複雑化する必要があるかも知れない。サイトの階層構造はマーケットやビジネスの目標に(そして、特定のキーワード市場のSEO的な利益に)大きく依拠している。
ライバルのURLをAdwordsのキーワード・ツールに挿入し、キーワードのテーマで彼らのサイトを抽出することができる。トラフィック予測ツールに見られる多くの機能もまた、このツールで取り上げられているし、PPCリサーチのためにそれをより強力にしている。
サイトのセクションを構築するためにキーワード・リストを組み立てるとき、自動的に良いキーワード・グループを作り出すGoogle Adwordsのキーワード・ツールを使おう。結果の一部をフィルターにかける必要があるだろうが、結果は他のキーワードの一覧と共に編集や調査のために直接ファイルへ落とすことができる。
2001年初頭にBrett Tabkeによって書かれたサイト・テーマの作成に関する投稿は、この議論をとても良く視覚化している。(後で取り扱う)内部リンク戦略には立ち入らないが、そのアイデアはスパイダーをキーワードをテーマにしたセクションから、適切に標的となる内部ページへと送り込むというものである。それで、セクションからセクションへと(そしてカテゴリーからカテゴリーへと)リンクを行う代わりに、垂直的にキーワードに適合したテーマのページからページへリンクを行う。この戦略はnofollowが共通のSEO用語になるずっと以前に開発されたが、スパイダーがそのリンクをたどってサイトをクロールする方法をコントロールすることで、ほぼ同じやり方で内部のページランクを最大化する。
サイトの階層構造を組み立てる【正しい】方法などないし、多くはサイトのサイズにも依拠している。例えば、ZapposはBastyrとは全く異なる戦略を持とうとしている。しかし基本的なコンセプトは、スパイダー(とページランク)をより深いページへ注ぎ込む、中核的なセクションとカテゴリーのテーマを構築することである。我々は後述の内部リンクのセクションで、これをより詳細に取り扱うだろう。
IA最適化: ページ
標準準拠ときれいなコードはかってないほど重要である。ウェブが進化するについて、検索エンジンは乱雑で、壊れたマークアップに寛容ではなくなるだろう。高品質のコンテンツが希少ではないウェブを想像してみて欲しい(我々はそこに向かっている)。標準準拠のコードが例外ではなく標準であるウェブを(いや、まだそこには到達していない)。そしてウェブサイトが何十億ではなく、何兆で数えられるウェブを(まだそこにはいないだろうか?)。きれいなコードとセマンティックに最適化されたページを作ることで、スパイターが素早くページをクロールし、理解するのを助けることになる。
SEOの領域で、これは最初の現実的な標準となりつつある。よく最適化されたページを構築するのは複雑なことではない。以下は基本的なことである。
セマンティックな構造: 良いセマンティックなマークアップはスパイダーにとって不可欠である。それはスパイダーに理解しやすい形でコンテンツを供給することでページの効果的なクローリングとインデクシングを可能にする。W3C準拠のコードの基礎は次のようになるはずだ。70文字以下に抑えられた関連性があり最適化されたタイトル・タグ、説明的なメタ・ディスクリプション、タイトル・タグの繰り返しか微妙な改変を行った、そして、その後に続くタグで焦点を絞り込んだ、関連性のあるヘッダ・タグ、そして、黒丸や数字のついたリストタグ、ボールドや強調。<b>のような非推奨タグも必ず排除すること。
メタデータ: メタ・キーワード・タグに関する言葉: Googleは依然としてこれをAdSenseにおけるコンテキスト広告のターゲット設定に(明らかに)用いているし、それが依然として検索アルゴリズムでYahoo!に用いられている可能性が大いにある(が、おそらく多くはない)。3ないし4の誤って検索されやすいキーワードをここに加えるのは自由だが、何度も繰り返さないことだ。しばしば、メタ・キーワード・タグはデザインや開発者チームによって乱用される。それを誤用する社内部署に問題があるならば、CMSのキーワード領域を全部取り除くことだ。Office SpaceのBob Porterがいっているように。
「我々は、可能であればいつだって常に、諍いを避けることを好む。問題はあなたが終わらせることで解決する」
標準: 可能ならコードをW3Cに適合するようにデザインしよう。標準準拠のコードはもちろんクールだが、それはまた検索クローラーを助け、SEOの努力を促進させられる。どれくらいだろうか?それを言うのは難しいね。私は標準準拠のコードが、誰もが達成するように努めるべき、高水準の項目だと思っている。それは決定的に重要だろうか?もちろんそうじゃない。それは専門的だろうか?もちろんそうだ。
アクセシビリティ: 検索エンジンはアクセシビリティに注意を払っている。だから、全ての画像に説明的な代替テキスト属性を含める必要がある。これはスクリーン・リーダーを持ったユーザーにそのページが何についてのものかを理解させる。だが、それは同時にテキストを追加して増やす場所を与える。テキストを置くことで、画像はページのコンテンツと関連を持ち、それはSEOの努力を促進する。
コード: Javascriptを内部に、CSSを外部にすること。ランキングの可能性を持つページ内のコンテンツの比率をコードに対して高くなるようにし、ソースコードにおけるコンテンツの比率を高いままに維持しよう。
コンテンツ: 自然で高品質の文章がベストだ。キーワード詰め込みのコピーを避ける。それは人々をうんざりさせ、おそらく、どんな場合でも自然な文章ほどに効果的ではない。誤って検索されやすいキーワードをコピーの中で使おう。もしそれが理にかなっていて、流通しているなら、ロングテール検索を引き込む助けになる。
孤立ページ: Xenuのようにクローラーはリンクを辿って移動するから、どんな孤立ページ(サイト内のどの場所からもリンクされていないページ)も見つけることはできない。これらのページを見つけるためには、カスタムJavaかCGIスクリプトを使う必要がある。Googleウェブマスターツールで、内部リンクレポートを5つのリンクかそれ以下の全てのページを見てみよう。もし、気になるページが1度か2度しかリンクされていないなら、それについては何とかすべきだ。一般的に、ページへの内部リンクが増えるにつれて、重要性とランキング能力は増していく。
メディア: 上述したように、説明的なALT属性が画像ファイルには置かれるべきである。画像はまた、(理想的には)説明的な名前を持ち、それらの周囲か近くに関連するテキストがある方がいい。動画はそのタイトルに関連キーワードを持ち、ページ上にテキストが書き写され、そのメタデータに情報が適切に記述されるべきだ。
関連情報
Adam Audette氏はAudetteMedia社のプレジデントであり、著名なSEOストラテジストでもあります。ザッポスやマイクロソフト、インテルといった大企業で、マーケティングやコミュニティ戦略、SEOなどを手がけてこられました。氏の著作や記事に関する情報はこちらの「Adam Audette: Founder of AudetteMedia」で取得出来ますし、Twitterでフォローすることも可能です。
記事インデックス
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(1/3)
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(2/3)
- SEO視点からの情報アーキテクチャ・ガイド(3/3)