先日も紹介したTamar Weinberg氏のTechipediaから「Social Media Strategy from A to Z(ソーシャルメディア戦略のAtoZ)」と題された記事を紹介します。
Weinberg氏は「ソーシャルメディアは古いかもしれない。死語になったバズワードなのかもしれない
」としながらも、だからこそ「あなたはより意味のある実体を描き出し、何が本当にソーシャルメディアに分類されるかを網羅する必要がある
」として、AからZまでを並べてソーシャルメディア戦略に関する項目を挙げ、それぞれに説明を加えています。
以下のリストは、彼女の挙げている項目を一覧にした上で、説明が必要と思われる個所を、文中から抜粋して併記したものです。
- 常に傾聴する(Always be Listening)
- ブログをする(Blogging)
- 顧客サービス(Customer Service):「オンラインでの顧客サービスの役割はソーシャルメディアマーケティングに等しいものになりつつある」
- LinkedInを通じて見込み顧客を牽引する(Drive Leads through LinkedIn)
- エンゲージメント / つながること(Engagement)
- 友情・友好関係(Friendships)
- 目標(Goals)
- ヒューマンビジネス(Human Business): 「ソーシャルメディアマーケティングは「ヒューマン・ビジネス」のようなものだという人もいるだろう。私はよくそれを次のように説明する。「ソーシャルメディアマーケティングとは、マーケットの構成者に対して売り込むために、そのメディアを通じてソーシャルなものに『てこ入れすること(leveraging)』だ」
- 影響(Influence)
- コミュニティに参加する(Join the Community)
- Kirtsyと他のニッチ・ソーシャル・ネット―ワーク(Kirtsy and Other Niche Social Networks): 「あなた自身をこれら(Kristryのようなニッチな)コミュニティに習熟させ、有名サービスだけに焦点を当てないのは良いアイデアだ。あなたのターゲットであるマーケットはそこではないどこかのニッチなフォーラムに隠れているかもしれない。掘りはじめるなら、それなりに本格的な報酬を手にすることになるかも知れない」
- 立地(Location)
- ソーシャルを越えたマーケティング(Marketing Beyond the Social): 「ソーシャルメディアマーケティングは万能薬ではない。それだけがマーケティングのソリューションではない。[…] ソーシャルメディアだけに焦点を当てるのも良いかも知れないが、あなたのマーケティングのリーチはTwitterとFacebookに焦点を当てることより少しは広範囲に及ぶはずだ」
- 知覚の育成(Nurture Perception): 「確かに、誰も会話のコントロールを失いたくないものだ。それこそが、企業が完全にはソーシャルメディアにエンゲージしない最大の理由のひとつだ。それらは決定権を維持し宣伝するのを好むし、双方向の会話やエンゲージすることのネガティブな影響の可能性を恐れている。[…] あなたは一夜にして意識を変えることはできないかもしれないが、確実に知覚を育てることができるだろうし、将来あなたにチャンスを与える理由を顧客に与えるのである」
- オプトイン(アウトではなく)(Opt-in, not out): 「ソーシャルメディアを利用するのはひとつの特権だが、ソーシャルネットワークで誰かがあなたのフレンドであったとしても、それは彼らが頼んでもいないメッセージを受け取ることに同意したのではない。[…] 彼らが購読者になることを欲し、先に明白にオプトインしたなら、そうするようにしよう」
- 参加こそがマーケティングである(Participation is Marketing)
- クイーン(Queen): 「コンテンツはキングだが、マーケティングはクイーンである。[…] コンテンツだけでは不十分である。ブログを書くのは素晴らしいが、もしブログの投稿を売り込むことがなければ、全くブログを書いていないのと同じことである」
- 評判管理(Reputation Management)
- ツールによるシンプル化(Simplifying with Tools)
- 時間(Time)
- コミュニティを理解する(Understanding Your Community)
- 価値(Value)
- 口コミマーケティング(Word of mouth marketing): 「ソーシャルメディアは口コミマーケティングの重要な部分である。結局のところ、あなたは会話するためにソーシャルメディアを使っているが、願わくは人びとがあなたについて語ればと一生懸命に働いてもいるだろう」
- 実験(Xperiment)
- YouTube(Youtube)
- 熱狂(Zealous)
少し長いですが、必要なことが最小限で網羅されていて、ソーシャルメディアに関することを整理するのに役立ちそうです。今回挙げられている項目の全てを細かく紹介することはしませんでしたが、各項目の中身もそれぞれ簡潔にまとめられていてとても読みやすい記事ですし、ぜひ一度元の記事も読んでみることをお勧めします。
Weinberg氏も冒頭で書いているように、ソーシャルメディアという言葉自体の「流行」はすぐに廃れてしまうのかもしれません。しかし、ソーシャルメディアそのものは今後私たちの生活に今まで以上に深く浸透していくように思います。顧客との対話が、より直接的で双方向的になるのは不可逆の流れであり、ソーシャルメディアを超えたところでもそういった傾向は強まっていくのでしょう。
ソーシャルメディアに関するこの種のリストはこれまでもいくつか紹介しましたが、自分自身がより包括的にソーシャルメディアの基本概念を勉強する上で、こういったリストをまだしばらく丁寧に読んでいく必要があるように感じています。またか、と思われている方もいらっしゃるかも知れませんが、もう少しこういった基本的な事柄の整理にお付き合いいただけると嬉しいです。