Google が「サイトの評判の不正使用」のポリシーをより詳しい内容に更新


Google が「サイトの評判の不正使用」に関するポリシーを更新していました。
昨年11月にGoogleが公開した記事「サイトの評判の不正使用に関するポリシーの更新」にある「よくある質問」などを反映させたのが今回の更新のようです。

今日(2025年1月22日)の段階では、まだ英語版だけで、日本語版は更新されていないので以下で変更点を記載します。

「サイトの評判の不正使用」に関する説明がより詳しく

まずは冒頭です。
従来の記述は次のように、簡潔なものでした。

Site reputation abuse is the practice of publishing third-party pages on a site in an attempt to abuse search rankings by taking advantage of the host site’s ranking signals. Such third-party pages include sponsored, advertising, partner, or other third-party pages that are typically independent of the main site’s purpose.

Spam Policies for Google Web Search

現在の日本語版ではこの部分は次のように訳されています。

サイトの評判の不正使用とは、ホストサイトのランキング シグナルを利用して検索ランキングを不正に操作するために、サイトにサードパーティのページを公開する行為を指します。このようなサードパーティのページには、スポンサー付きのページ、広告ページ、パートナー ページ、その他のサードパーティのページなどがあり、通常メインサイトの目的とは無関係です。

Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

この記述が詳しくなり、サイトの評判の不正使用がどのような目的で行われること、サードパーティのコンテンツを持つこと自体は違反ではないことなどが追記されました。

Site reputation abuse is a tactic where third-party content is published on a host site mainly because of that host’s already-established ranking signals, which it has earned primarily from its first-party content. The goal of this tactic is for the content to rank better than it could otherwise on its own.

Third-party content is content that’s created by an entity that’s separate from the established host site. Examples of separate entities include users of that site, freelancers, white-label services, and content created by people not employed directly by the host site.

Having third-party content alone isn’t a violation of the site reputation abuse policy; it’s only a violation if the third-party content is published on a host site mainly because of that host site’s already-established ranking signals.

Spam policies for Google web search

日本語訳はまだないので、私の方でざっくり訳してみると次のようになると思います。

サイトの評判の不正使用とは、ホストサイトのファーストパーティのコンテンツが元々得ていた、すでに確立されたそのランキングシグナルを主な理由に、サードパーティのコンテンツがホストサイト上に公開される手法です。この手法の目的は、そのコンテンツが本来得られる順位よりも、より上位に表示されるようにすることです。

サードパーティのコンテンツとは確立されたホストサイトとは別の主体によって作られたコンテンツです。別の主体の例としては、そのサイトのユーザーやフリーランサー、ホワイトラベルのサービス、そのホストサイトに直接雇われていない人々によって作られたコンテンツがあります。

サードパーティのコンテンツを持つこと自体はサイトの評判の不正使用のポリシー違反ではありません。サードパーティのコンテンツが、主にそのホストサイト上で確立されたランキングシグナルを理由に、ホストサイト上で公開される場合のみ違反になります。

サイトの評判の不正使用に該当する事例についても調整

上記以外で変更されているのは、サイトの評判の不正使用に該当する事例で、更新前の日本語版では次のように紹介されています。

  • サードパーティによって書かれた短期ローンのレビューに関するページが教育関連のサイトによってホストされている。検索ランキングの操作を主な目的として、同じページがウェブ上の他のサイトにも配信されている
  • 「最高のカジノ」に関するサードパーティ ページが医療サイトでホストされている。このページはホストしている医療サイトのランキング シグナルを利用して、検索ランキングを操作することを主な目的として作成されている
  • 映画レビューサイトに表示されるとユーザーが困惑するようなトピック(「ソーシャル メディア サイトでフォロワーを購入する方法」、「優れた占いサイト」、「優れた小論文作成サービス」など)を扱うサードパーティ ページが、検索ランキングの操作を目的として映画レビューサイトでホストされている
  • サードパーティが書いた「ワークアウト サプリメントのレビュー」ページがスポーツ関連のサイトでホストされている。検索ランキングの操作がページをホストする主な目的である
  • サードパーティが提供するクーポンがニュースサイトでホストされている。ニュースサイトの評判を利用することが、そのニュースサイトでクーポンを提供する主な理由である
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

このうち5つ目が削除され、ひとつ新たに追加される形で、以下のような内容に変わっています(以下の5つ目の項目は変化なし)。

  • An educational site hosting a page about sponsored reviews of payday loans written by a third-party that distributes the same page to other sites across the web
  • A medical site hosting a third-party advertising page about “best casinos” that readers wouldn’t expect and that’s being placed on the site to rank better due to the established site’s ranking signals
  • A movie review site hosting third-party pages about topics that would be confusing to users to find on a movie review site (such as “ways to buy followers on social media sites”, the “best fortune teller sites”, and the “best essay writing services”)
  • A news site hosting coupons provided by a third-party white-label service where the main reason for publishing the coupons on the news site is to capitalize on the news site’s reputation
  • An established first party site branches out into a new area primarily using freelance content because this content will rank better on the first-party site than it would have otherwise
Spam policies for Google web searc

訳してみると次のような意味になります。削除・追加以外のところも微妙に表現とかが変わっていたりします。

  • サードパーティによって書かれた短期ローンのスポンサー付きレビューに関するページをホストしている教育関連サイト。同じページがWeb上の他のサイトに配信されている。
  • 読者が予期しないだろう「最高のカジノ」に関するサードパーティの広告ページをホストする医療関連サイト。そのページは確立されたサイトのランキングシグナルによってより上位に表示されるよう、サイト上で公開されている。
  • 映画のレビューサイト上にあるとユーザーを困惑させるようなトピック(「ソーシャル メディア サイトでフォロワーを購入する方法」、「優れた占いサイト」、「優れた小論文作成サービス」など)に関するサードパーティのページをホストしている映画のレビューサイト。
  • サードパーティが提供するクーポンがニュースサイトでホストされている。ニュースサイトの評判を利用することが、そのニュースサイトでクーポンを提供する主な理由である。
  • 主にフリーランスによるコンテンツを利用して新しい分野に進出する確立されたファーストパーティのサイト。このコンテンツがファーストパーティのサイトにあることで、そうでない場合よりもより上位に表示されるのが理由である。

サイトの評判の不正使用とはみなされない事例については、以下の現在の内容と変更がありません。
(実は1か所だけ変更があるのですが、6項目目の内容が広告ユニットとアフィリエイトリンクが入れ替わって、アフィリエイトリンクが前に来ただけなんですよね。)

  • ニュース サービスまたはプレスリリース サービス用のサイト
  • 他のニュース メディアからのニュース コンテンツをシンジケーションしているニュース メディア
  • フォーラム ウェブサイトやコメント セクションなど、ユーザー作成コンテンツが可能なように設計されたサイト
  • コラム、意見記事、記事、その他の編集記事
  • サードパーティのコンテンツ(「記事広告」や「ネイティブ広告」などのページ)で、コンテンツを直接読者に共有することを目的としており(出版物内のプロモーションとしてなど)、コンテンツをホストしている目的が検索ランキングを操作するためではないもの
  • ページ全体でのサードパーティの広告ユニットの埋め込み、またはページ全体での適切に処理されたリンクでのアフィリエイト リンクの使用
  • 販売者や、消費者に商品やサービスを提供するその他の企業から直接獲得したクーポン

「手動による対策レポート」も更新

ちなみに、「手動による対策レポート」の「サイト評価の不正利用」の内容も更新されています。
こちらについてはすでに日本語版にも更新が適用されているようで、古い内容と比べると、「おすすめの対処法」が詳しくなり、具体的な対応方法の紹介があるほか、回避行為についての注意などもあわせて行われています。あわせて確認しておくと良さそうです。