Google、Bing、米Yahoo!がツイッターをインデックスし、検索結果画面(SERPs)で表示しつつありますね。今はまだ、リアルタイムにインデックスするところまではいっていないようですが、SERPsで一部のツイート(つぶやき)が表示され、検索ワードによっては比較的高い順位で表示されることは皆さんもご承知だと思います。
既にさまざまなメディアと連携しているという点で、Twitterはウェブサイトのプロモーションを行う上で、重要な地位を獲得しつつありますが、検索エンジンにおけるSERPsへの統合で、狭義のSEO(検索エンジンでの露出を高めるための方策)という点でも重要になってきます。
そのことを意識してか、最近、色々とSEOとTwitterをめぐる記事が投稿されていますので、ここで一度、それらをまとめつつ、私なりにTwitterをSEOの視点から考えてみたいと思います。
直接的なランキングの向上にはつながりにくいTwitterの構造
TwitterとSEOの関係でよく知られていることにrel=”nofollow”の存在があります。
Twitter上ではごく当たり前の光景として、有益な情報が投稿され、短縮された形でリンクが張られていますが、このリンクにはクローラーに対して、「リンク先を評価しない」ことを伝えるrel=”nofollow”が付けられています。
またrobots.txtによりクローラーを遮断する措置がとられている部分があります(このことは以前「SEO効果がさらに減少?Twitterがクローラーを遮断」でもお伝えしたのですが、最近、また変更されたようで、クローラーのクローリングを妨げている箇所は、大幅に減少しているようです。”http://twitter.com/robots.txt”)。
このことからSEOでランキングを高める被リンクをTwitterから集めることはあまり有意義なことであるとは受け止められていませんでした。とりわけ「何にせよ、ウェブサイトをGoogleで最適化するということは、即ち、リンクを獲得し、リンクを集めること(optimizing a site for Google means getting links, many links, no matter what
)」だと考えている人々にとってはそうでした(「Twitter’s Little Known SEO Value」)。
TwitterのSEO効果
しかし、少し視点を変えてみることで、Twitterは、SEOに効果的であることがわかります。例えば次のようなことはTwitterのSEO効果と考えることができるでしょう。
- SERPs上で自サイトへのリンクを明白に含んだコンテンツが表示されやすくなるということ
- Twitterではなく、Twitter関連サービスを通じて、被リンクを獲得できるということ
1番目に関しては、ほとんどの検索エンジンがTwitterのプロフィールをインデックスし、また主要な検索エンジンが、ツイートをインデックスしていることが上げられます。これにより、サイトのページそのものの露出が低くても、ツイートは表示されることで、それを補完することができます。
また、2番目のことに関して言えば、既に「SEO効果がさらに減少?Twitterがクローラーを遮断」でも紹介していますので、ここでは省略しますが、紹介しなかったものとしてTwib.jpも効果がありそうです。補足になりますが、省略形URLがリンクジュースをわたすのか、ということを気にされる方もいらっしゃると思います。基本的には301リダイレクトを行ってくれるものが多いようですし、そうでなければ、Twitterに投稿する際にどの省略形URLを利用するかをある程度自分で決めることも可能です。
さらに、より広い視点でSEOを捉えると、それ以外の効果が期待できるようになります(ここでいう広い視点、とはSEOをGoogleやYahoo!でのランキング獲得という意味ではなく、さまざまな検索エンジンや検索サービスからのウェブサイトへのトラフィックを最大化するという意味でのSEOです)。
- フォロワーに対して、直接的にプロモーションすることができる、あるいはトラフィックを獲得したいURLを提示できる
- GoogleやYahoo!とは異なるアルゴリズムの検索エンジンからのトラフィックを期待できる
他にも、SMOやSEMというレベルに視点を拡大すると多様な効果を考えることができると思いますが、ここではあくまでSEOに視点を絞っておきたいので、Twitterの効果はこのあたりにとどめておきます。
Twitterアカウントを最適化する
ではTwitterをSEOで最適化するにはどうすればよいでしょうか。以下に複数の記事を参考に、私なりの意見を交えてまとめてみたものを紹介します。
1. ユーザー名を適切なものにする
ユーザー名はそのままURLに表示されます。基本的には英数字(a-z,0-9)とアンダースコア(_)しか使えませんが、この部分を適切にしておくのは重要です。GoogleやYahoo!等では検索した際にプロフィール名の次に括弧の中で表示されます。例えば「seo」をターゲットキーワードにしている場合、ここに「seo」という文字を含んでおくとそれだけで、SERPsで複数の箇所が太字で表現されます。またそれぞれのツイートで最初に表示されるのもこの部分です。リツイートやリプライ、DMなどでも用いられるので、覚えやすいものが望ましいです。
下の画像はそれぞれGoogleとYahoo! Japanでの表示例です。
2. プロフィール名を適切にする
プロフィール名(あるいは単に「名前」)は自由に付けられます。ここも適切に付ける必要があるでしょう。ある程度名前を知られている、あるいはその名前をブランディングしたい個人や団体の場合はその名称をつけてもいいでしょうし、特定の商品や肩書きをPRしたい場合は、それを代わりに用いてもいいでしょう。
Etisbew Technology Groupの記事「Twitter Seo Optimization Tips – Twitter Profile Page Optimization Tips」ではキーワードを用いつつ、ローカル言語で作成するのが好ましいとされています。
3. 自己紹介を最適化する
160文字でプロモーションを効果的に行います。複数のURLを紹介したい場合は、それをここに掲載しておきます(長い場合は短縮URLでも構わないと思います)。この部分はツイッターアカウントでSERPsに表示された場合、スニペットとして表示されます。つまりmeta要素のdescriptionと同じ効果があります。クリック率を向上させるためにも、注意深くテキストを選ぶべきでしょう。
「Twitter SEO Tips : 4 Simple Tips to Help Your Twitter Profile Rank」でMatt Leonard氏は3人称の視点で自己紹介を行うことで、プロフィール名で検索された時にさらに太字を増やすことができるといっていますが、そこまでする必要はないと思います。またロケーションも忘れずに指定しておきます。
4. ツイートはプロモーションしたいものと関連するテーマを選んで行う
関連するテーマをメインにツイートすることが大切です。これは基本ですね。ただ、関連するテーマの内容をしつこくツイートするのは考えものです。同じ内容を何度も繰り返すなどの行為は避けた方がいいと思います。
また、新たに投稿したブログ記事や修正したブログ記事、新しく追加した商品情報などを投稿するのは大切でしょう。これはGoogleやYahoo!での上位表示が望めない場合などにそれを補完する意味でも大切です。
5. リツイートされやすいツイートを心がける
ツイートはリツイートを通じて人気を獲得します。リツイートは対象のツイートに「RT @ユーザー名」を付けますし、場合によっては「RT」の前にリツイートする人のコメントが入ります。リツイートを期待してのツイートの場合、その辺りを意識してテキスト量を少し控えておく必要があるでしょう。とはいえ、二重、三重にリツイートされることもあるので、限界はあります。
またハッシュ(#)タグやボットの存在を意識することも大切です。乱用するのはお勧めできませんが、より多くのユーザーに関連キーワードでのツイートを配信してくれることになります。どちらの場合も、キーワードの両端を半角スペースで開けるなどして、文章と一体化してしまわないように気をつけてください。
6. ツイートの最初の20文字を前後を大切にする
それぞれのツイートはパーマリンクとして保存され、検索エンジンにも個別にインデックスされるわけですが、この時、それぞれのページのタイトルになっているのは「Twitter / 名前: ツイートの最初の20文字程度」という形です。検索エンジンで表示された場合、それぞれのツイートは一部だけ見出しに含まれ、残りはスニペットとして表示されます。
7. Twitterプロフィールを既存のメディアで宣伝する
鬱陶しがられない程度にするのが難しいものではありますが、自分のプロフィールなどに添えて、ツイッターを紹介するのは思った以上に効果的です。「Twitter Seo Optimization Tips – Twitter Profile Page Optimization Tips」ではソーシャルブックマークを、Chris Burdge氏の「Seven Twitter Tips to Improve Your SEO」では自分のサイトで紹介するよう薦めています。
8. ツイッターのテーマに関連したユーザーをフォローする
ツイッターを純粋にツイッターとして楽しんでいる場合は別として、テーマの関連性はSEOやSMOを考える上で大切です。情報交換の場にもなります。また関連テーマを扱っているユーザー間でリツイートしたり、されたりすることで、ツイートの関連性やオーソリティにも影響が出るようです。
「Twitter Seo Optimization Tips – Twitter Profile Page Optimization Tips」では常にフォローをフォロワーの数より少なくするよういっています。あまりにフォローがフォロワーに比べて多すぎるのはどうかと思いますが、それほど気にする必要はないだろうと思っています。
それよりもフォローしすぎると収集がつかなくなる恐れがあります。関連したユーザーは一揃いでリストとして公開される場合も非常に多いですし、どうしても複数のテーマでツイートしたい場合は、GoogleやYahoo!もやっているように、テーマやブログ毎にアカウントを分けてもいいでしょう。
有名なところではMichael Gray氏が最近、通常のツイートアカウントの他に、リンク投稿専用のアカウントを獲得して両者を使い分けています。
9. 他のサービスと連携させる
例えば、FriendFeed等検索エンジンにインデックスされる可能性のあるソーシャルサービスでツイートを表示させることは効果的です。またFacebook等ではTwitterでのツイートをそのまま投稿できますし、つい先ほど知ったのですが、Mixiアプリで表示することも可能です。詳細はうちすけ氏の「Twitterをはじめたブロガーがやっておくべきことまとめ – sarusaruworld lab – Web Lab」で確認できます。こちらの投稿はTwitter関連記事としても読んでおくことをお勧めします。
他にもLivedoorブログやはてなブックマークなどTwitterと連携したサービスを提供しているものは数多くありますので、いろいろと探してみると面白いです。
Twitterアカウントを客観的に評価する
以上のようにTwitterの最適化のポイントを私なりに9つにまとめて紹介しました。
私自身、それほどTwitterを最適化することに必死で取り組んでいるわけではないのですが、上にあげたポイントをいくつか実践するよう心がけていますし、トラフィックの確保という点である程度効果が出ている部分もあります。
もっとも、アクセスがあっても、コンテンツがまだまだなので、トータルで成果が出ているとは言い難いのが現状です。何だかんだいったところで、結局、アクセス先が充実していないと何にもならないんですよねw。
また、これらのことを実践していても、やっているうちに、うまくできているのかを客観的に知ることは意外に難しいですが、過去の記事で、次の2つはBingと米Yahoo!におけるTwitterインデックスのアルゴリズムに言及しましたので、併せて読んでいただけると参考になるかと思います。これらのアルゴリズムに沿ってうまく実践できてみるかを考えてみるのもいいかもしれません。
また、独自の指標で、Twitterアカウントの価値を教えてくれるサービスに次のものがあります。私はちょうど89点でした。5,583,636中599,405位というのはいいのか悪いのか微妙なところですね…。
もうひとつ、HootTweetの短縮サービスを利用すると、リンク毎のアクセス解析をとることも可能です。
Twitterが今後、検索エンジンに本格的にインデックスされる時のための参考になればと思います。
なかなか素敵な機能ですね
こんにちは。
Twitter Graderのことでしょうか?
それとも、コメントシステムのことでしょうか?
参考になったのであれば嬉しいです 🙂