先日から、ブログSEO JAPAN上で滝日伴則氏(@ioixseo)によるSES Londonのセッションレポートが投稿されており、私もとても興味深く拝見していました。どのレポートも面白く、まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、一通り目を通すことをお勧めいたしますが、その中で、いくつか私にとってはあまり耳慣れない言葉がありました。

そのうちのひとつが「SES London 2010 : DAO / デジタルアセット最適化が熱い!」の中で登場した、「DAO(Digital Asset Optimization)」という言葉です。「デジタル資産最適化」や「デジタルアセット最適化」と訳すべきなのでしょうか、日本語ではなかなか適当な言葉が思いつかなかったのですが、ここでは一先ず滝日氏の訳語に従って「デジタルアセット最適化」としておきます。

このDAOですが、既に英語圏では数年前から使われている言葉のようで、ある種のバズワードといってもいいのかも知れません。いくつかの記事を読んだ上で自分なりにまとめてみようかと思いましたが、ちょうど、著名なLee Odden氏が、「What is Digital Asset Optimization?(デジタルアセット最適化とは何か)」というぴったりの記事を書かれていましたので、私が深く理解しないまままとめるよりも、氏の訳をこちらに掲載し、これを読まれる方々と情報をシェアした方がいいだろうと思い、氏にお願いし、翻訳の許可を得て以下に掲載しています。

この種の言葉を積極的に使用するかどうか、あるいはこれが日本で定着するかどうかは別として、SEOやSMO同様、オンラインのコンテンツを異なる視点から最適化しようという発想はとても示唆的ですし、今後、取り組みの中でこうした視点を組み込んでいくのも面白いですよね。

デジタルアセット最適化とは何か

検索エンジン最適化については何度も耳にしたことはあるだろう。だが、「デジタルアセット最適化(Digital Asset Optimization)」についてはどうだろうか。

一般的なウェブサイトのコンテンツに対して基本的なSEOの法則を適用した多くの企業が大きな効果を理解する。新しいコンテンツを追加すること、そしてリンクを集めることは検索マーケティングの業績向上に繋がるが、SEOに対抗するためにはそうするしかないのだろうか。Noだ。

自然なSEOの進捗とは、オンライン上でキーワードによって最適化され、宣伝される可能性のある、あらゆる企業の検索可能なアセットを考慮する総体的なアプローチである。ウェブページのSEOによる一般的なコンテンツの最適化は出発点であり、それは通常の検索と同様に、画像や動画(後述の動画のDAOに関する5つのヒントを見て欲しい)、そして音声のようなメディアに特化された検索において、次第に顕著になりつつある多様なメディアにまで拡大することができる。デジタルアセット最適化(DAO)は多様なドキュメント/ファイルのフォーマットに適合することができる。すなわち、RSS、MS Office、Flash、PDF等のようなものにも。

Googleの「Social Media」での検索結果

検索クエリ「ソーシャル・メディア」でGoogleから得た上のスクリーンショットにおいては、画像や動画、ニュースの結果が標準的な検索結果に統合されているのを見ることができる。全て最適化のチャンスである。

検索エンジン最適化はデジタルアセットを豊富に持つ組織にとって十分に取り組む価値がある。クローラーに対するこれらアセットを最適化し、宣伝するための取り組みは、その価値があると同時に得るものも多い。デジタルアセット最適化はクライアントに対し、彼らのコンテンツへと顧客を検索経由で引きつけることが可能な新しいチャンスを説明する方法である。

デジタルアセットを豊富に持たない企業は、それらが検索マーケティングの利益を改善するために持つことの可能なオフライン及びオンラインでの多様なアセットを活用できる。共通する例はオフラインのコンテンツ及びデジタルメディアをオンラインのマーケティング用に再度目的を持たせることである。

例えば、オフラインで活用した展示会ないしトレーニング用の動画は、オンライン動画のかたちでオンラインのコンテンツを提供するためにリミックスし編集することができる。それぞれのメディアはGoogleやBingのような標準検索のために最適化されるだろうし、同様にYoutubeやFlickrのような個別のメディアサイトで宣伝される可能性がある。

とりわけ、動画は次のように複数のメディアを最適化するチャンスを用意する。

  1. VimeoやYoutubeのようなサービスに提供された動画は最適化することができる
  2. サード・パーティのサービスに提供された動画は、あらゆるウェブページ、ブログの投稿、あるいは(適切な場合には)PRWebのようなサービスにおけるプレスリリースの中に埋め込まれる可能性がある
  3. 動画における決定的瞬間のスクリーンショットは、実際の動画に対するリンクバック付きで画像共有サイトに提供される可能性がある
  4. メディアの解説はユーザーや検索エンジンに(関連キーワードを用いて)動画の背景や説明を提供する埋め込まれた動画を伴う可能性がある
  5. 動画のトランスクリプション(転写)で構成される個別の記事が埋め込まれた動画ページの宣伝としてサイトの内外で投稿される可能性がある

良いSEOないしDAO、あるいはあなたがコンテンツを最適化することを何と呼びたがろうが、そのための基本的な前提は「それが検索可能なものならば、最適化できる」ということだ。

「サーチャビリティ(検索可能性)」には、あるアセットが、クローラーにクロールされ、その後、消費者がクエリを実行した際に、検索結果の中に選び出されるようになるという意味が含まれている。それぞれのタイプの検索可能なコンテンツは最適化のチャンスと可視性の改善に繋がる。

より総体的な最適化及びマーケティングのアプローチから生まれる利益は、リードを引きつけ、販売を促進するために活用されたコンテンツの範囲を超えて拡張される。そこでは別の種類の検索は、カスタマー・サービスに関連するコンテンツ、求人情報そして新しいコンテンツを含むビジネスを促進するか、あるいは利益を生む可能性がある。それぞれが、考慮すべきそれぞれの聴衆を持ち、したがって、最適化の異なる背景を持つ。

検索エンジンに対し、発見し、インデックスし、コンテンツを選別するのを容易にするということは、増大する販売、求人、新着情報及びより安価なカスタマーサポートのコストというかたちで、それを行おうと試みるほとんどの企業に利益をもたらすことだろう。これが今年の新しいチャンスであり、企業コンテンツの最適化努力の次に来るものである。

宣伝経路を一致させることで、多様なデジタルアセットを組み合わせる部署毎のプロセスを発展させることは、企業に最小限のコンテンツ・リソースで、さらなるオンライン・マーケティングのチャンスを与える。それはまた多くのコンテンツを生み出す企業に圧倒的な競争上のアドバンテージを与える。あらゆる成功するSEOないしDAOのカギとなるのは、ビジネスの目標に到達するための適切な戦略、実践及びマネジメントを発展させることである。

あなたの会社のSEOへの取り組みはウェブページに焦点を当てているのだろうか。あるいは、同様に他のデジタルアセットのための検索行為に最適化し、行動追跡を行っているだろうか。

Lee Odden氏について

Lee Odden氏はミネソタにあるインターネット・マーケティング・コンサルタント会社のTopRank Online Marketingの創立者であり、CEOを務められています。さまざまな会議に出席されている一方、Online Marketing Blogを始め検索エンジンやブログマーケティング等をテーマにした記事を精力的に書かれています。氏のリアルタイムの活動状況を確認するには氏のTwitterアカウントである@leeoddenをフォローするのが一番だと思います。