少し前のことですが、TechipediaのTamar Weinberg氏による「7 Truths About Social Media Marketing(ソーシャルメディアに関する7つの真実)」という記事が公開されました。ここでの「7つの真実」とは次のようになっています。

  1. ソーシャルメディアは銀の弾丸(特効薬)ではない
  2. ソーシャルメディアはTwitterやFacebookのみではなくそれ以上のものである
  3. 数が全てではない
  4. ソーシャルメディアとはソーシャルなものである
  5. ソーシャルメディアとは絶え間ないものである
  6. ソーシャルメディアはタダではない
  7. ソーシャルメディアとはたいてい永続的なものである

これら7つの項目はそれぞれ重要な内容を含んでいますが、ここでは3つ目に挙げられている「数が全てではない」という項目に関して少し考えてみたいと思います。

数が全てではない

Weinberg氏は以下のように書いています。

過度に熱狂的なクライアント、あるいはファンは無条件に、途方もない数のTwitterのフォロワーを持つ「インフルエンサー」に手を伸ばす必要を感じているかもしれない。実際のところ、それらの数字が意味をもつことはそんなに多くはない。

Twitterや他のソーシャルなチャネル上の個人や存在を総体的視野でみることはより重要である。もし誰かが20,000を超えるTwitterフォロワーを持っているとして、どのくらいの人びとを彼らはフォローしているのだろうか?

  • フォロワーに対するフレンドの割合が1:1(20,000のフレンドと20,000のフォロワーという均等な分布)に近いならば、おそらくこの人は全ての個々のフレンド申請に応えているのだろう。それはその人がより多くのフォロワーを見つけて行くことさえも意味しているのかもしれない。
  • もし2:1の割合(20,000のフレンドと10,000のフォロワー)ならば、気にかけるべきことかもしれない。なぜ等しくないのだろうか、と。あなたの潜在的なフォロワーはあなたのツイートに関心を持っていないのではないだろうか?
  • 他方で、1:2の割合(20,000フレンド、40,000フォロワー)ならば警戒した方がいいだろう。私は無数の「専門家」や「有名人」がのちに全てを取り除くためだけにあらゆる個々のフレンド申請に応えてるのを見てきた。数字は結果的に、膨張し、この連中はロックスターのように見えるのだ。

これら潜在的なインフルエンサーを、その信憑性を理解するために調査するようにしよう。彼らのTwitterの更新を見てみよう(彼らが本質的で付加価値のある存在であるのか、あるいは彼らがTwitterFeedから来ているに過ぎないのか)。彼らがホームページを持っているならチェックしよう。ただ額面通りに表向きのTwitterの数字を受け入れないこと。アカウントの背後の人びとが彼らのフォロワーと関わっているかどうかを見よう。

多くのフォロワーが常に何もかもを意味しているのではないことを頭に入れておこう。より重要なことは、潜在的にあなたのメッセージをより多くの正しい人びとに広げる可能性がある正しい人びとと繋がっていることなのである。

ここに挙げられている「インフルエンサー」候補に関しては比較的極端な例が挙げられていますが、とはいえ、これらに該当するようなTwitterアカウントは実際によく見かけます。

Twitterのフォロワー数は一定の基準にはなりますが、絶対的なものではありません。フォロー数よりフォロワー数が上回っていることは確かにある種のオーソリティを感じさせるため、Twitterでプロモーションを行う場合にある程度の効果を発揮するでしょう。しかし、見かけはそうであっても、実際には大量にフォローしてリフォローを獲得した後、大量にリムーブをした結果かも知れません。

また一方で、上に挙げられていないものでは、割合が1:1のケースであっても、あまり意味のないタイプの相互フォローだけを行って数を膨張させている場合もあるでしょうし、フォロワーがフォロー数を大幅に下回っていても、自分の関心のあるTwitterアカウントをフォローしつつ、フォロー返しを行っていたら、割合が1:2になってしまったというケースもあるかもしれません。

フォロワー数を獲得することに至上の価値を見出している人もいますが、ソーシャルメディアは自分にとって最も価値のある範囲で、できるだけ広く自分自身の声が届くこと、あるいは自分の目的に沿う形でフォローしているユーザーやフォロワーとソーシャルな関係を構築できることの方が重要であるように思います。これはビジネスで利用する場合でも、個人で利用する場合でも同じではないでしょうか。

もちろん、ただフォロワーを増やすことを楽しんだり、目的とすることを否定するつもりはありませんが、それがSEOにおいてただ闇雲にリンクを集めたり、上位表示だけを目的にしてしまうことと同じになってしまうのではあまり意味がないでしょう(正当な理由と目的があってリンクを集めることや上位表示を目指すことにはもちろん意味がありますが)。

Yuzo氏の「#book 報道とツイッター」でも触れられていましたが、自分のスタイルを保ちつつ、目的によってはフォロワーを減らすことも大切でしょう。今後、そうしたバランス感覚が、ソーシャルメディアをうまく使いこなし、自身の目的を達成するためにますます重要性を増してくるのではないでしょうか。